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慕情

第6章 貴殿様と貴女様


【貴殿様と貴女様】

 貴殿様は貴女様を寝台へと運び…
ゆっくりと下ろした…

 貴殿様は香炉に麝香の香りを漂わせ…
自分も貴女様の居る寝台へと腰を下ろした…

「なかなか逢えなくて、すまなかったな…」

 貴殿様は
貴女様の髪に触れながらそう言った…

「いえ…とんでも御座いません…
有り難き幸せです…」

 貴女様は頬を染め…続けて…

「貴殿様は御仕事の方は…?」

「御仕事より、そなたの方が大切ゆえに…
こちらに赴いたのだぞ…?
月に一度では足りぬ…
暫くは、こちらに滞在させて貰う…
もうすぐ六芸の大会もあるし…
忙しくなるゆえ…
そなたとの時間が取れぬからな…」

 それを聞いた貴女様は…

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