慕情
第7章 道のり…
「……宵闇…だよ…」
泡沫は頬を染め…
俯きながら、そう言って愛馬に乗り
【仙人の領域】までの山道を登っていた…
「えぇ?そんな名前だったっけ…?」
神楽は首席でも
人の名前を覚えるのは苦手であった…
続けて神楽は泡沫の異変に気づき…
「おい…ッ!!泡沫…ッ?顔赤いぞ?
もしかして熱があるんじゃないのか…ッ?」
神楽は自分の愛馬から泡沫の愛馬に
飛び移り…自分の愛馬は他の遣いに任せ…
神楽は
泡沫の腰に手を回し引き寄せ…手綱を持ち…
「ほら…俺に凭れろ…」
神楽は、そう言うと…
泡沫の額に手を当てて…手首に指を添えて
鼓動が乱れてないか確かめた…
「だ、大丈夫だよ…?神楽は大袈裟だなぁ」
泡沫は苦笑い…