慕情
第3章 紫仙の過去
「アッハッハ…そう恐がるな…
もし万が一、何かあったら、
この俺がお前を護ってやるよ?」
神楽は泡沫の肩をポンポンっと
軽く叩きながら笑って伝えた…
続けて神楽は…
「それより早く証拠隠滅してしまえよッ?」
神楽は泡沫の耳許で囁いた…
泡沫は、きょとんとしている…
「早く桃を食ってしまえ?
本当に見つかってしまうぞ…?」
泡沫は…ハッ…と気づいて慌てて食べた…
「種は、そこら辺に埋めておけ?
証拠隠滅…証拠隠滅…」
神楽は地面に小さな穴を掘り…
神楽と泡沫は種をペッと…掘ったばかりの
穴に吐き出して埋めた…
「何を証拠隠滅するのだ…?」
と、ふたりの背後から声がした…