慕情
第3章 紫仙の過去
ふたりは振り向くと…
「あっ、こ、これは…貴女様…ッ
お久し振りですッ!!」
泡沫は恐縮し深々と貴女様に挨拶をした…
ところが神楽は…顔色をパァッと輝かせ…
「あっ、姉上ッ!!お久し振りですッ!!
なかなか、逢えないから寂しかったよ?」
神楽は貴女様に擦りよった…
「はぁ…神楽よ…
もう少し泡沫を見習ってはどうだ?
全く、お前は変わらぬな…」
貴女様は、やれやれ…と頭を横に振る…
「えぇ…?姉上は【妖魔の領域】の管理者に
輿入れして…【神仏の領域】の管理者に
なってから…俺に厳しくなったね?
昔は、あんなに俺に甘々だったのに…」
神楽は瞳を潤ませ悲しそうに答えた…