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慕情

第16章 ご難続き…壱


 神楽と姫利を追い掛けていた巨大な岩…

 神楽、姫利、泡沫、王華の
四人の背後には崖の壁…つまり行き止まり…

 それから突如…上空から
けたたましい野鳥の鳴き声が響き渡る…

 それを察した宵闇は…

 弓を構えて矢を放とうとするが…
危険を察知して幽蘭の襟首を乱暴に掴み…

 二人は崖の上から飛び降りた…

 崖の下には四人おり…

 上空から、それに気付いた泡沫は…

舞い降りた二人を目の当たりにして…

「あ…ッ!!よ、宵闇…!?」

 泡沫は…トクンッと鼓動が乱れた…

「おっ…えーと…
お前…じゃないな…宵闇…久し振りだな…」

 神楽は
宵闇の顔は覚えているが名前を忘れていた…

 泡沫の、お陰で助かった…と
神楽は内心、ほっとした…

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