ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー
第4章 クレリア・ラーナー
「わたしはあの子より少し歳上だし、社会経験も多いしね、姉のように慕ってくれているわけ
かわいいじゃない?キャンキャン吠える子犬みたいで!」
「子犬………、ですか?」
正直その表現はフィルには同意出来なかった
「あの子は戦争で弟を亡くしてるからね、ちょっとブラコンなのかな?
そう言うわたしは妹を亡くしたから、きっとシスコンだったのかもね
キミ、兄弟は?」
「ボクはひとりです、だけど同い年の隣の子とは姉弟同然でした
そうか、ボクも姉みたいな人を失ったからなのかな?」
「それ、シモーネには言わないでおくわ!
キミが姉を慕ってたなんて話しを聞いたらあの子ホントに食べちゃいそうだから!」
ベリンダは人ごとのようにゲラゲラ笑っている
「愛人でもあるんでしょう?他の人になびいたらイヤじゃないですか?」
フィルは幻とはいえ、リンダとフリードキンが裸で抱き合っている幻覚を思い出してしまった
「やめてよ、嫉妬なんてしないわ!わたしもあの子もバイかもしれないけどホントは男性のほうがいいもの!私たちは寂しさを紛らわせてるだけ
嫌なことがあったら友達と酔いつぶれる事あるでしょ?そんな感じよ
それより司祭さんのところに泊まってるって本当なの?私は知り合いじゃないから詳しくはないんだけど男嫌いで有名だから!
いつも信者さんに言い寄られてばかりいてたようだけど、キミを招き入れたのは意外だわ!」
“そう言えば尻を触られたからお布施を倍にした、とか言ってたな?
冗談かと思っていたけどホントなのかな?”
フィルはクレリアの苦労が実感できない
「アンタも大変ね、シモーネに司祭さんに!
引く手あまたでうらやましい話しだわ」
「クレリアさんはここで問題なく暮らしているのでしょうか?そんなに言い寄られたりしてたらやりにくそうてすけど?」
「どうかなぁ?私もあまり知らないから
私は無宗派だから
でも小さい街だから、うわさ話はすぐ耳に入るのよ!特に私の場合夜の仕事もしてるから目立つ話しはすぐ飛び込んでくるの
でも人気者よ、あの司祭さん
可愛いだけじゃなくお祓いもしてくれる、てもっぱらの噂ね、よく周りから聞くわよ?」
ベリンダはバルコニーの扉を開けてタバコに火を付けた
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