ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー
第4章 クレリア・ラーナー
「ルイーズよ、職場の届け物を頼まれたの?今日はひとり? 今から教会に届けるのよ」
「教会? クレリアさんに?」
「アナタ、クレリアの知り合いなの?」
見るとルイーズは両手に荷物を下げていたのでフィルがひとつ持つことにした
「へぇ?クレリアのとこの修道士さんだったの?驚いたわ!クレリアったらそんなことひとことも言ってなかったもの!」
ふたりは露店がならぶ賑やかな通りから教会の方へ向かう路地裏の方を曲がっていく
「クレリアとは昔からの知り合いなの、
それにしてもあのクレリアがよく同居人なんて認めてくれたわね!?
あの子感情の起伏が激しいでしょ?
フィリップ君うまくやったわね?
あの子を狙ってる信者さんはたくさん居るのよ?」
フィルは数時間前も同じ事を聞いたな、と思った
「そうでしょうね、今朝ボクも飛び出してきましたから…」
「あらあら、早速ケンカしちゃったの?
妬けちゃうわね、仲の良い証拠よ!
早く仲直りすればいいわ、でないとあの子根に持つわよ?」
フィルはなんとなく想像がついた
また矢継ぎ早に言葉責めされそうだ
ふたりが教会に入ってきたとき、祭壇の前では信者数名に何かしらの儀式を行っているようだった
ジャマをしてはいけない、と思いふたりは後ろの方の席に座り終わるのを待つことにした
クレリアが聖書を朗読しながらチラリとふたりのほうを一瞥したが、すぐに目を閉じて朗読を続けた
信者らしき人たちは街の人のようだ
軍人とは体つきが違う
クレリアの一瞥した様子を見てルイーズが困った顔になっていた
「あの子、また勘違いしてるわね
わたしとキミが一緒に居てるのが面白くないみたい、わかりやすいわ!」
「ええっ!?そんな事までわかるんですか?」
「付き合いが長いって言ったでしょ?
自分が中心じゃないとイヤなのよ
きっと仲間外れにされてる気持ちになってるわね、まいったわ」
「それは……、ぼくもまいりました」
面倒くさい人だなぁ、とフィルはため息をついた
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