ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー
第4章 クレリア・ラーナー
女は白目を剥いたまま、首を右に左に傾ける
始めは少し傾ける程度だったのだが
今では真横を向いている
口からは白い粘液のようなものがこぼれ落ちてきている
目からは赤い血の涙が垂れてきている
垂れ落ちた涙は顔中を紅く染めて、それらのしたたりは胸元までも鮮血を広げていく
女の豊かな胸のふくらみが紅く染まる
「この身体の女はイザベラ、家族に捨てられ此処から出られず、身体を売っても幸せは訪れない
悲観して首をくくろうとしているところにオレが力を与えてやった
此処に住み続けていてもいいんだ、
と何度も安心させてやった
孤独な女はオレの言葉に耳を傾けていく
お前の言葉は聞こえない」
女は一歩づつフィルに歩み寄ってきた
「お前もこの女の肉体が欲しいだろう」
女は胸を反らせて若い修道士に迫ってくる
「退け、悪魔ッ!
私たちの主、神の御名によって!
汚れなき乙女、神の母よ!、
幸いな大天使よ!、
幸いな使徒たちよ!、
そして全ての聖人たちの取次ぎによって!、
私たちに聖なる奉仕を委ねられた権威に信頼しつつ悪魔の敵意と惑わしに満ちた災いを駆逐すべく、
私たちは恐れることなく、これを始めようッ!」
女がフィルの目の前までやって来た時、
フィルは手に持った十字架を女の胸元に押し当てた!
するとまるで十字架が熱を持ったかのように女の皮膚はジュッ!!と煙をたてて焼きただれていった!!
「ぎゃあああアアアアアッッッッ!!!!!」
女はどす黒い重く据えたような地獄の叫びを上げた!!
“効いている!!”
フィルは神の言葉を何度も何度も繰り返す
重なっていく言葉の弾丸が悪魔に染み付き、焼き印のように打ち込まれていく!!
フィルが勝利を確信した瞬間!
女はフィルにしがみつき、豊かな胸を少年の顔に押し付けた!
「ベイビィ、ベイビィ、ベイビィ!!
わたしの可愛い坊や!
さぁおっぱいよッ!?
ギャハハハッッッ!!!!!!」
悪魔は弱ったフリをしてフィルに近づき
ゆっくりとたどり着いたのだ!
虫のような女の血溜まりが足元に集まり
上がってくる!!
足が動かない!?
女は笑った
「つーーーぅかまーーーえぇたぁぁぁッッッ!」
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