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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第4章 クレリア・ラーナー


顔に乳房を押し当てられながら、フィルは首元を押さえつけられる!


女がフィルの首をゴリッともぎ取ろうとした瞬間、咄嗟に身を引いてギリギリかわすことができたがとても危なかった

一瞬でも遅れていたら首の骨を折られていただろう


かわされた女はあれっ?と首をかしげる


だが、すぐに次の攻撃を仕掛けてきた!


フィルの心臓めがけて指先を手刀のように固め貫こうとする!


“かわしきれないッ!?”


グサッッ!!



「がはっ!」


フィルは口から血を吐きてしまう!


「ん?」女は再び不思議そうな表情をする


心臓を貫くはずが、貫いていたのは彼の脇の下だった!

しかしそれでも致命傷だ

血が止まらない!

太い血管をやられた


フィルはその隙に右手に持った十字架を女の顔面に叩きつけた!


「ギャッッ!!??」


たまらず女は後ろに跳躍して間をとった


これ以上接近したままではフィルももたなかっぢろう


ふーふーと肩で息をする

血が止まらない


時間がない


早急にかたをつけなければいけない


「いま使うしかない」

フィルはズボンのポケットから小瓶を取り出した

フリードキン神父から譲り受けていた“聖なる水”

サイド7を去るとき、教会の皆と学校の子供たちの祈りが捧げられた“神と同様に汚れを清められるアイテム”なのだ


フィルは女を見据えて十字架を突き出す

そして小瓶のフタをまわす


「神は立ち上がり、その敵は退散するッ!」

フィルは読み上げながら女に向かって聖水をかける!

「神を憎むものは、その御前から逃げ去るッ!」

また聖水を振りかける!

女はうめき声をあげて苦しんだ!

「お前の魂はは吹き消されるッ!
 お前の身体は溶けてしまうッ!
 神の御前はだかる悪は滅びるッ!」

聖水は霧のように部屋中に充満していく!
この部屋全体が清められていく!
空間が浄化されているのだ!

「見よ、主の十字架をッ!
 敵対するやからは退くがいい!

 主よ、あなたの憐れみを私たちの上に、
 あなたに希望をおくものの上に注いでくださいッッッ!!」


「や、やめろぉぉぉッッッ!!!」

フィルは小瓶の残りの聖水を直接女の頭の上から振りかけた!


シュゥゥーー!!と白煙がたちこめる

汚れた獣が浄化されようとしていく!

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