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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第4章 クレリア・ラーナー


ひとときの時間の間をおいて、閉めたドアの向こうからクレリアが声を掛けてきた


「ところでケダモノ君、キミ身体のほうは大丈夫なのか? 見たところ大きな外傷は無かったように見えたケド?」


フィルはそう言われて改めて自分の身体をまさぐってみる


頬にガーゼが貼られていることに気が付いた

きっとクレリアが手当てしてくれていたのだろう


「ありがとうございます、クレリアさん
 あの時、クレリアさんが来てくれていなかったらボクにはどうする事も出来なかったと思います」


すると、すごい勢いでドアが開いた!



クレリアは先ほどの儀式服ではなくトレーナー姿のラフな格好で部屋から出て来た


「そうだな、私が来てなかったらふたりともあっちの世界に引きずり込まれていただろうな?

 感謝とともに敬意を払うがいい!

 ……でも、まぁ、キミもそれなりに頑張ってたみたいだね

 私が来るまでにすでにある程度弱体化していたようだし、私はトドメを刺した程度の力しか使っていないんだから

 意外と素質はあるのかもよ?

 弟子入り試験には合格かな?」


クレリアはニヤリと笑った


「あの女性も助かったのですか?
 良かった……

 クレリアさんがお休みになられた後、教会の方に救いを求めに来られていたんですよ」


フィルは女性が無事だった事に安堵した
これ以上自分の周りで不幸なことが起こってほしくない

だが、クレリアはちょっと戸惑っているような表情をしている



「教会に…? よく私の結界に入って来れたな? しかも眠っていたとは言え私に気づかれないように?

 それってあの低級悪魔がこなせるレベルじゃないんだけどな?

 なんだか裏がありそうだね

 あと、キミのほうにも問題があるのかも?

 教会にまで侵入してきたのはキミを連れ出す目的だったのかもしれないね

 キミ、悪魔に友だちでもいるの?」


「ば、バカな事いわないでくださいッ!?」


フィルは慌ててみたものの、ブラッディがつけ狙っているのでは?と懐疑的になったのだった…



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