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お題小説 labyrinth(心の迷宮)

第1章 ラビリンス(labyrinth)

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「わたし達が間違いなく双子の姉弟だって事はさぁ…
 当然、血が繋っているって事だよねぇ?」

「うんそうだよ血が繋ってる…
 あ、ああっ…」

 蒼もようやく気付いたみたい…

「そうよ、そうよね…」

「オレらは、き、近親相姦ってこと?」
 
「うん…
 そうよね、そういう事になるわよね…
 それも2回もヤッちゃったしねぇ…」

「あ、う、うん、や、ヤバ……」

 ヤバいというレベルの問題ではなかった…
 近親相姦は近代人類文化に於いての最大の禁忌、タブーな行為なのである。

「だ、だけど、碧の背中のホクロを見るまでは、本当に双子だって知らなかった訳だし…」

「う、うん…」
 
 そう、まさかの真実であり、本当に知らなかった訳だし…
 
「で、でもさ、でもさぁ…
 わたしもさぁ、変だなぁって本当に思ってたのよ…」
 
「え、変って?」
 
「うん、それはさぁ、恥ずかしいけどさぁ…
 ほら、アレよ…」

…そう、アレとは、彼、蒼とのセックスがやけに、いや、今までかつてなかったほどに感じ、感じまくってしまったという…
 抜群なカラダの感度、相性の良さの事である……

 ただでさえ、今まであんなに感じた事なんてなかったのに…
 だから今夜ずっと不思議に思っていたのだ。

 まるでお互いの凸凹がピタリとハマったかの様に、二人のサイズがジャストフィットしたし…
 まるで以心伝心の如くに、ああされたい、こうしたいという欲求の想いも、初めて寝た筈なのに、まるでもう何年も前からカラダを重ね合い、愛し合ってきた二人の様に無意識にお互いを強く求め、そして得た事のないような激しいエクスタシーといえる絶頂感を得ていたという意味でのアレである。

「だからきっとさ、それはアレよ、アレのせいよねぇ?…」

「え、アレって?」

「ほら、アレはつまりそのぉ、カラダの相性の事よ…
 ほらわたし達は双子だから、無意識にお互いを求めちゃったって事なんじゃないのかなぁ?」

「そ、そうなのかなぁ?」

「だからお互いの双子の同じ遺伝子が、細胞レベルから求めたからこそ、あんなに感じたんだと思うのよね…」

「そ、そうなのかなぁ?」

「それになによりさ、このわたしは今までナンパされてのワンナイトした事なんて、マジてないんだから」

 それはつまり…
 


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