テキストサイズ

王都崩落

第1章 1


「帝国軍への所属?ㅤ私がですか?」

ㅤまだ小娘といってもいい年齢の私は、其れを聞き浮かれていた。中々ない出世だと喜んだものだ。

ㅤまさかこんなに帝国軍が内から汚れているとは思っていなかった。

ㅤ出世と力を手にする為に、悪魔と契約を結んだ上官ばかり。手を結んだ悪魔から上官たちは尽く裏切られ、そのまま地位を肩代わりされる。

ㅤ傍から見れば滑稽だろうが、それだけ奴らの力は強く、そして魅力的なのだ。強大な力を手にしてしまえば、国同士の戦争でさえ、身体ひとつで解決出来る。

ㅤだから我々の国は強い。強いが、悪魔に内から乗っ取られていた。


ㅤそして、女である私が配属されて直ぐに頼まれたのが……。

「君が、ヨーゼフかな?」

ㅤ小さな悪魔の世話だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ