王都崩落
第1章 1
「これだが、名をリチャードという。私の拾ったものでね。中々に可愛い性格をしているんだ」
ㅤ捕まったばかりの彼は、どこか怯えた目を私達に向けていた。
ㅤ配属されたばかりで右も左も分からない私と、拾われてきたばかりの悪魔。何だかとても哀れに思ってしまった。これが、彼との出会いだ。
「君、彼と契約を結んでくれないか?」
「……この悪魔と、契約、ですか?」
「ああ、そうだよ」
ㅤ檻の中に囚われた悪魔を見つめる。
ㅤ銀髪で弱々しい赤の瞳。小さな身体。強そうには見えなかった。
「嗚呼……君の言いたい事は分かっている。彼はとても弱く見えるだろう。だが、捕まえる際に私の部下を3人も屠った強者だ。まぁ、こうして魔力を抑える折に入れてしまえば、何も出来ない哀れな籠の鳥でしかないのだが……」
ㅤ彼を捕まえたのは当時、突撃隊の幹部をしていた男だった。余り素性を知らぬ男ではあったが、彼の黒髪に意志の強い瞳の事は良く覚えている。そして、そんな彼に捕まった其れを哀れと思ったのも私だった。
ㅤ捕まったばかりの彼は、どこか怯えた目を私達に向けていた。
ㅤ配属されたばかりで右も左も分からない私と、拾われてきたばかりの悪魔。何だかとても哀れに思ってしまった。これが、彼との出会いだ。
「君、彼と契約を結んでくれないか?」
「……この悪魔と、契約、ですか?」
「ああ、そうだよ」
ㅤ檻の中に囚われた悪魔を見つめる。
ㅤ銀髪で弱々しい赤の瞳。小さな身体。強そうには見えなかった。
「嗚呼……君の言いたい事は分かっている。彼はとても弱く見えるだろう。だが、捕まえる際に私の部下を3人も屠った強者だ。まぁ、こうして魔力を抑える折に入れてしまえば、何も出来ない哀れな籠の鳥でしかないのだが……」
ㅤ彼を捕まえたのは当時、突撃隊の幹部をしていた男だった。余り素性を知らぬ男ではあったが、彼の黒髪に意志の強い瞳の事は良く覚えている。そして、そんな彼に捕まった其れを哀れと思ったのも私だった。