テキストサイズ

王都崩落

第1章 1

ㅤつまり、今回の我々の仕事も悪魔の差し金に過ぎない、ということだ。務まるところ、この少年は悪魔の差し金で自分の父親代わりを殺した事になる。

ㅤ何故か。簡単だ。​──邪魔だからだ。
ㅤ未熟な王を操るのに、前任者が邪魔だった。だから殺した。それだけのこと。

ㅤそれなのに悪魔に誑かされた少年はそんな事もしらず、やれ裏切りだやれ不敬だと、ありもしない罪を擦り付け、我々に人を殺させた。

ㅤ反吐が出るとは、まさにこの事だ。
ㅤおまけに、この愚かな自体は初めてのことでは無い。

ㅤこの少年の傍にカールという悪魔が憑いてから、何十と起こっている自体に過ぎない。
ㅤかといって、この真実を総統閣下に告げたところで信じては貰えないだろう。

ㅤ下手をすれば、首が跳ぶのは、私だ。
ㅤ私とて其れは分かっている。だから、苦い顔をして、事をやり過ごすしかなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ