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キセキ

第6章 Vol.6〜勝利と勇気

僕は彼の手を握った
 何故か僕も泣いていた

 いつからか
 僕は国のため
    勝つため
  そして、僕にかけられた期待を裏切らないため
 なんだかいろんなもののために走っていた
 そして、
 なんのために走っているのか
  自分でもわからなくなっていた

 少年は、僕のために走っていた
 僕に勇気を与えるために
  
僕も、いつかまた少年の勇気になれるだろうか
 誰かの勇気になれるだろうか

僕は少年に言った
「約束するよ
 いつか、君をオリンピック金メダリストのかけっこ教室に招待する
 君が走る姿を見て
   僕は勇気が出た」

君がしてくれたように
 僕が君の勇気になるように

 君の走りは 僕に勇気をくれたから

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