
キセキ
第9章 Vol.9〜世界を守る
ーだってさ、
あんた、祈ってくれただろ?
親に捨てられて
先生からも呆れられ、
どうしようもなくグレて
ケンカや盗みばかりやっていた俺のために
あんた、祈ってくれたじゃねえか
神様がいつも一緒にいて
祈りが聞き届けられるから
絶対に大丈夫だって
あんた、言ってたじゃねえか
それ、ずっと信じているんだろう?
だったら、だったら、
俺がやるしかねえじゃねえか
あんたが信じている世界が
本当だって
神様ってやつが本当にいるんだって
俺が・・・俺が
証明するしかねえじゃねえか・・・
マサキはふと
窓を見た
社長は、その目に涙が溢れているのを
見ていた
桂木神父もまた
泣いていた
