
キセキ
第10章 Vol.10〜私の居場所
経験不問の採用試験を何社も受けてみた
行き詰まるたびに
幼い頃からの辛い思い出が蘇りそうになり
頭を振る
稀ならず体調不良にも悩まされた
独りを自覚するほど
吐き気が襲ってきた
そんなあたしがココを見つけたのは
20歳のある冬の日だった
バイトの連続で疲れ果てていたとき
ふと、ココアが飲みたくなって
『ピージ・ブリーシス』
という名の喫茶店に入った
若いマスターがひとり
席は10席にも満たない
小さな店だった
その時のココアが絶品だったわけでもなかったが
なんとなくあたしはこの店が気に入って
そのあともよく通うようになった
店はいつもあまり客がいなかったので
あたしはマスターと話すようになっていた
行き詰まるたびに
幼い頃からの辛い思い出が蘇りそうになり
頭を振る
稀ならず体調不良にも悩まされた
独りを自覚するほど
吐き気が襲ってきた
そんなあたしがココを見つけたのは
20歳のある冬の日だった
バイトの連続で疲れ果てていたとき
ふと、ココアが飲みたくなって
『ピージ・ブリーシス』
という名の喫茶店に入った
若いマスターがひとり
席は10席にも満たない
小さな店だった
その時のココアが絶品だったわけでもなかったが
なんとなくあたしはこの店が気に入って
そのあともよく通うようになった
店はいつもあまり客がいなかったので
あたしはマスターと話すようになっていた
