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「好きです。付き合ってください」

第9章 創作「好きです。付き合ってください」

中学卒業後、高校入学までの間の春休み。
中学生でも高校生でもない中途半端な時期……とか思っていたのだが、卒業式後であっても3月の間はまだ【中学生】で、入学式前でも4月になったら、もう【高校生】だ、と、どこかで聞いた。

その春休み、私は、【超】がつくほどにヒマだった。
私の人生史上、最大級に何もない1ヶ月弱を過ごした。
部活も無い、友達とも会わない、勉強をするでもない…。

暇すぎて死ぬかと思ったぐらいにはヒマだった。
人間は、こんなにヒマになることがあるのか?!いや、ない!

それもこれも、いつもつるんでた相方二人が揃いも揃って恋人を作りやがったのが一番の原因だ。なんで私一人だけ、彼氏も彼女もいないんだー!!

え?彼女? いや、なんで彼女…?
…彼女、かぁあ…。私って、そういう趣味、あったっけ?
ん?まだ自覚をしてない、新しい扉が開く??

いやいやいやいや、まさかまさかぁ。無い!無いわー!
人間、暇すぎると思考がおかしな方向に行くのね。
早く、入学式の日が来ないかなぁ~~。

そんな感じで私は、高校の入学式の日を指折り数えて待っていた。
だって、中学時代にずっとつるんでた友達が二人とも忙しくなって構ってくれなくなっちゃったらさ、もう、高校で新しい友達作るしか無くない!?

はーーー。アタシも恋人つくろっかなぁ。って、作ろうとして作れるもんなんだろうか? いや、わからんな。そもそも、まず好きな人がいないし。あ、でも誰かから好かれて告白されて始まる関係、とかも、ありかもしれない。

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