
Lの禁忌 〜taboo〜
第1章 【ココロ、堕ちる】
する気分じゃなかった
旦那さんには悪いけど、誘われなくて
本当に良かったって思う時点で
もう後戻り出来ないって気付いてしまった
「冗談です、旦那さんともシて良いですからね?その代わり、他の曜日は私のまりさんで居てください」
「何でそんな事言うの」
「ん…?こうして今、腕の中にまりさんが居て結構、胸がいっぱいなんです、この時間が幸せ」
まだ冷静にならないで
もっと欲しがってよ
抱かれなかったよ?
褒めて……ぐちゃぐちゃに甘えて良い…?
クロスにしてた腕も解放されちゃって拍子抜け
乱れた服も直されてスリッパを出された
行こうとする腕を思わず掴んでしまったのは
まだこの疼きを抑えきれていないから……
「まだ行っちゃダメ……」
「え?」
グイッと引っ張ってさっきみたいにドア側に立つの
「え、続き?」と覗き込んでくる
うん、って頷いたら顔を覆って悶絶してるよ
ん?言い方、変だった?
まだ足りないの、お強請りしちゃダメ?
「可愛過ぎます…」ってそっち!?
あ………あはは、ありがとう?で良いのかな
わわ、あぁぁぁ顎クイとかしちゃうんですか
「じゃ、遠慮なく…」とか格好良すぎて
また食べられちゃうようなキスに溺れてく
「クスッ…ダメですよ、そんな顔したら、止まらなくなります」
「まだして…」
「ん〜?まだ?ふふふ、じゃ、此処じゃなくて、部屋に上がってください」
「はーい」
何かね、かおるの前だと甘えたくなる
歳上なのにね、格好悪いとこばかりだよ
それなのにそれが可愛いとか言われて
かおるのツボがよくわかんない
情けないなって思ってるとこなのにさ
あ……前にイチャイチャしたソファーだ
ちょこん…と座るや否や甘々モードのかおる
もう戸惑ったりしないよ
普通に受け入れてる
