
Lの禁忌 〜taboo〜
第1章 【ココロ、堕ちる】
「まだ全然足りない……まりさんの良いポイント、よくわかんなかったです」
「も、もう今日は…」
「この先知るのが怖い?」
「え…?」
「私は、もっとこの先に進みたい、でもまりさんを置いてきぼりにはしません、ちゃんと心が通い合ってこそだと思うから」
かおるはやっぱり意地悪だ
だって私がNOとは言えないってわかってて
言うんだもん
かおるにお願いされたら私だって強く言えない
私の足に頭預けてきてコロンしたり
上目遣いで見つめられたら私でもイチコロだよ
女の子でこんなドキドキするの初めてで
正直、自分自身に戸惑っている
「早く言わせたいなぁ……この口に……かおる抱いてって……まりさんはどんな風にお強請りしてくれるのかな?」
「え?え?」
かおるだけ余裕あるのズルいよ
さっと起き上がりティッシュ箱を取った
え、待って、拭くよ、自分で拭くから……って
手を押さえられてされるがままの私
脱がしたズボンを履かせてももらった
「今日はここまで……おやすみなさい、まりさん」
「ん……うん、おやすみ、かおる」
玄関まで見送るのも変な感じ
お互い部屋着だし、こんな遅い時間に女の子1人で
帰らせるとかって思うけど
かおるは同じ階に住む女の子
子供が居るから靴が沢山あってごめんね
靴を履いたら必ず振り向いてくれる
優しく微笑んで髪を撫でてもくれるの
「またね」
「…………」
「まりさん?どうかした?」
並んで立つとかおるの方が少しだけ背が低い
さっきまで触れてた指も唇も、もう帰っちゃうんだ
俯いちゃう私を宥める優しい声
「そんな顔されたら帰れないよ」
服の裾掴んで引き寄せる
かおるのシャンプーの匂いが好き
目を合わせたら当たり前のように頬に触れてくる
