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ハヤンが前に出て、場を整える。
「これより新商品のご説明と実演を行います。従来になかった設計思想を持つ器具ゆえ、まずは開発者ご本人――しおん様より概要をご紹介いただきます🙇🏻」

視線を受け、しおんは一歩前へ。落ち着いた声が部屋に行き渡る。

しおんは試作品の魔振棒を手に取り、集まった冒険者たちをゆっくりと見渡した。
「――まずは価格について話そう」

その声に場の空気が静まり返る。

「この“魔振棒”は、庶民から貴族まで幅広く使えるよう三段階にわけている。
庶民でも手が届く普及モデルは、銅貨5枚前後。
中流層には銅貨8枚から銀貨1枚。
そして、貴族や富裕層向けには銀貨2〜3枚の特別仕様を用意した」

会場にどよめきが走る。
「銅貨5枚！？」「そんな値段で……？🤩」と低いざわめきが広がり、安価な価格に驚く者、上位仕様に興味を抱く者、それぞれの視線が魔振棒に集中した。

しおんは微かに頷き、続ける。
「用途も層も問わない。誰にでも手が届き、それでいて確かな効果をもたらす……そういう品を目指している」

彼の声には揺るぎない自信と、冷静な説得力が宿っていた。

しおんは試作品を掲げ、短く区切って言った。
「――要点は三つだ」

「① 設計思想：二人で使う前提。片手で保持しやすいグリップ、外側ヘッドは角度付き。これで〈挿入のリズム〉と〈外側刺激〉を同時に成立させる。」

「② 安全・静音：肌当たりの柔らかな魔導樹脂。作動音はささやき程度。水拭き・熱湯消毒に対応している。」

「③ 操作：出力は4段＋パルス。必ず低出力から、相手の反応を見て段階を上げる。コツは“位置より角度”。上向き15度を目安に、軽く当てる。」

彼は角度を示すように手首を返し、会場を見渡した。
「――以上だ。では、実演に移る。俺が保持し、凛が反応を示す。目はヘッドの角度と出力の上げ方に注いでくれ。」