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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第7章 お腹いっぱい、次は鉱山へ

草原に着いたしおんは、依頼されていた薬草を次々と摘み取り、マジックバッグに収めていった。鑑定スキルのおかげで迷うことなく見分けられるので、三件分の薬草はあっという間に揃った。

その足で鉱山へ向かう。入口には数人の冒険者がいて、つるはしを振るう音が岩壁に響いていた。ガンッ、ガンッ、と乾いた音が洞窟内に反響する。

しおんは奥へ足を踏み入れた瞬間、壁のあちこちに淡い光の点を見つけた。周囲の冒険者たちは気づいていない。――鑑定スキルが鉱脈の場所を示しているのだろう。

「……ここだな🧐」

試しに光のある場所を掘ると、依頼書にあった鉱石がごろりと顔を出した。思わず笑みがこぼれる。

(神様、本当にありがとう😌)

心の中で礼を言うと、空の上から愉快な声が響いた。
「全然いいのじゃよ〜😉 わしゃ何人もの魂を異世界に送っておるが、みんなに鑑定スキルは付けておるからのう。ただ、異世界ではごく一部しか持たぬ貴重な力じゃがな。」

もちろん、その声はしおんには届かない。ただ、淡い風が吹き抜けたように感じただけだった。

作業は順調に進み、二件分の採掘はすぐに終わった。つるはしの音がやけに軽快に響き、集めた鉱石をマジックバッグに収めると、不思議なほど軽くなる。袋の重みはまったく増えず、それでいて中には確かな収穫が蓄えられていた。

夕刻、街に戻ったしおんはギルドのカウンターへ。依頼を報告すると、受付嬢が明るい声で説明してくれる。

「薬草採取は1件で銅貨3枚、鉱山の依頼は1件で銅貨5枚になります。本日は薬草が3件で銅貨9枚、鉱山が2件で銅貨10枚。合計で銅貨19枚の報酬となります☺️」

差し出された硬貨を手のひらで確かめる。
「ありがとうございます」

昨日の時点で手持ちは銅貨60枚。そこに今日の19枚が加わり、合計で**銅貨79枚(銀貨7枚と銅貨9枚)**になった。

「……だいぶ貯まってきたな🤔」

宿に戻り、食堂で出された魚の塩焼きと穀物ご飯、野菜たっぷりのスープを平らげる。噛むほどに旨味が広がる料理に心まで満たされながら、しおんは財布の中身を再度確認した。

(奴隷を買えたとしても、服や靴を買い与えたい。宿代や食費も必要だし……もう少し多めに稼いでからにしよう🤔)

腹も心も満ちたしおんは、小さく息をつき、明日への決意を胸に眠りについた。

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