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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第41章 千夏、宣伝台に立つ

観覧席に続々と集まる五十名ほどの貴族たち。重厚なソファに腰掛ける彼らの視線が、壇上へと注がれていた。

先に立ったハヤンが恭しく一礼する。
「本日はお越しいただき、誠にありがとうございます。これより、しおんより“魔振棒”の説明と実演を賜ります🙇🏻」

静寂が広がり、しおんはゆるやかに前へ進み出た。冒険者の時とは違い、丁寧な言葉遣いで語り始める。



「皆さま、本日はお運びいただき、誠にありがとうございます。
本器《魔振棒》は、より良い親密な時間を支えるために設計した二人用の補助具でございます。

特長は三点に要約できます。
 1. 設計思想:片手保持でも姿勢が崩れにくい重心設計。角度可変の外側ヘッドにより、内側のリズムと外側のポイント刺激を同時に調和させます。
 2. 安全・静音:肌当たりの柔和な魔導樹脂を使用し、作動音は私語程度。拭き取り・煮沸の双方で衛生管理が可能です。
 3. 操作性:出力は四段+パルス。必ず低出力から反応を見て段階を上げることが肝要。コツは“位置より角度”、上向き十五度を目安に軽く添えることです。

価格は三段階をご用意しました。
・普及モデル:銅貨5枚前後
・中位仕様:銅貨8枚〜銀貨1枚
・特別仕様:銀貨2〜3枚(静音・耐久・ヘッド拡張)」



「ほう……銀貨1枚程度でここまでの仕組みか」男の貴族が頷き、顎に手を添える。
「……奥様方も気になっている様子ですわね」別の婦人が扇子で口元を隠しながら囁く。
「お前も、試してみたいか?😏」と隣に座る夫がにやりと笑えば、妻は頬を赤らめ「あなたったら……まだ実演を見てからでしょ😉」と小声で返す。

観覧席のあちこちで似たような囁きが交わされ、空気はじわじわと熱を帯びていった。
「……なるほど、実際の効果を早く見てみたいものだ🤔」誰かが呟き、期待の気配が膨らんでいく。

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