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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第41章 千夏、宣伝台に立つ

ギルドを出て人通りの少ない道を歩く中、しおんは隣を歩く千夏にそっと声をかけた。
「……千夏、凛と花香には内緒な🤫」

「え……?」きょとんとする千夏。
「今日は頑張ってくれたご褒美にカフェに寄っていこう☕️」

初めて聞く“カフェ”という響きに、千夏の目がぱっと輝いた。

小さな木扉を開けると、甘い香りと柔らかな音楽が流れてくる。
テーブルに運ばれてきたのは、丸いお皿にちょこんと乗った小さなカップケーキ。
淡いピンクのクリームが薔薇のように絞られ、上には小さな銀のアラザンがきらりと光っている✨
横にはハート型のクッキーが添えられていて、見た目からしてまるで宝石のようだった。

「……ご、ご主人様、私が食べていいんですか……?」
「もちろんだ😊」

千夏はおそるおそるスプーンを入れ、口に運ぶ。
「……美味しい……! こんなに甘くてふわふわなもの、初めてです……🥹」
頬を染め、目を細める千夏を見て、しおんは自然と口元を緩めた。

店を出たしおんは、そのまま新しくできた仕立て屋へと足を向ける。
「もうひとつ、ご褒美を買ってやる😉」

「えっ……!」千夏は思わず胸に手を当てる。

店内に入ると、壁一面に色とりどりの靴下や小物が並んでいた。千夏は棚の前で立ち止まり、目を輝かせる。
「……あ、これ……😳」
彼女が手に取ったのは、淡い紫色にレースがあしらわれたニーハイソックス。繊細なレースが光を受けてきらめき、上品さと可愛らしさを兼ね備えていた。

しおんはその様子を見て、頷く。
「それがいいのか?」
「……はい。黒以外も持ってみたいなって……💜」

しおんは店主に銅貨3枚を渡し、丁寧に包んでもらった。
「紫色……絶対にお似合いです」
店主の言葉に千夏は頬を赤らめ、包みを胸に抱きしめる。
「本当に……嬉しいです☺️」

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