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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第42章 守るべき子どもたち

帰り道、ふと花香が少し恥ずかしそうに口を開く。

「……あのね、わたし、野菜の苗を買いたいなって思うの。しおん様に食べ物を任せっきりじゃなくて、私たちも少しでも役に立ちたいから🥕」

凛がぱっと笑顔になる。
「いいね!夏は人参やダイコン、カブ、ゴボウが育てやすいって聞いたことあるよ🙌🏻」

千夏も頷き、考えるように言う。
「じゃあ苗と一緒に肥料も買った方がいいんじゃない?でも……高いのは無理かな?」

そんな話をしながら3人は市場へ向かい、野菜の苗を扱う店の前で立ち止まった。
店先には青々とした苗が並び、土の匂いが漂っている。

「いらっしゃい。夏野菜の苗を探してるのかい?🧐」と店主が声をかける。

凛がにっこりと笑って答える。
「はい、育ててみたいんです!」

千夏も少し恥ずかしそうに続けた。
「ご主人様に食べてもらいたくて……」

店主は目を細めて笑みを浮かべた。
「なるほどねぇ。偉い子たちだ。だったらこの辺りが育てやすいよ😊」

3人は銅貨を手にしながら顔を見合わせる。
「人参の苗とカブの苗は1枚ずつ、ダイコンとゴボウは2枚ずつ……合わせて6枚ですね」凛が指折り数える。
「それに普通の肥料を2袋。こちらは4枚」千夏が追加する。
「合計で銅貨10枚か……これならちょうどいいね😉」花香が嬉しそうに微笑んだ。

3人は手持ちの15枚のうち10枚を差し出し、大事そうに苗と肥料を受け取った。

「楽しみだね🌞 毎日水やりするんだ✊🏻」
「しおん様に収穫した野菜を食べてもらえるの、すごく嬉しいな☺️」
「うん、頑張って育てよう👍🏻」

その時、花香がぽんと手を打った。
「そうだ! わたし、この前“野菜の育てかたの本”を買ってたの。一通り読んだんだけどせっかくだから、みんなで読んでから育てようよ📖」

「いいね、それ👏🏻」凛が嬉しそうに頷く。
「本に書いてある通りにやれば、きっと立派に育つはずだよ」

千夏も微笑んで、苗の入った籠を大事そうに抱きしめる。
「よーし、きっとしおん様も喜んでくれるね☺️」

3人は、苗と肥料、それから花香の本を頼りに、これから始まる小さな畑作りを楽しみに胸を膨らませながら帰路についた。

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