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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第11章 はじめての贈り物〜凛〜

鉱山に着くと、しおんはつるはしを肩に担ぎ、凛へと振り返った。
「今日は俺の採掘を見学しててくれ。次からは簡単な依頼を受けてもらうことになる。だから今日は見て学ぶんだ」

凛の瞳がぱっと輝いた。
「……わ、私も依頼を……! 本当に?😆」
「もちろんだ。冒険者として登録したんだからな」
しおんが笑うと、凛は胸の前で小さく握りこぶしを作り、嬉しそうに頷いた。

つるはしの音がガンッ、ガンッと鉱山に響き、しおんは手際よく壁の光る部分を掘り進めていく。
一件分の鉱石を集め終えたところで、二人は岩の上に腰を下ろし、軽食を取り出した。
「いただきます😋」
凛はパン屋で買った野菜たっぷりのサンドウィッチを両手で持ち、恐る恐るかぶりついた。瑞々しい野菜の甘みが口いっぱいに広がり、思わず笑顔がこぼれる。
「……すごく、美味しいです!」
その様子にしおんも頬を緩めた。

食事を終えると、再び採掘を再開する。鑑定スキルのおかげで光の示す場所を狙えば外れはなく、残り二件分も思っていたより早く揃った。

夕刻、街へ戻り、ギルドのカウンターに鉱石を差し出す。
受付嬢が確認し、笑顔で告げた。
「三件分、確かに受け取りました。報酬は銅貨15枚になります」

差し出された銅貨を見つめ、凛は胸を高鳴らせた。
「……本当に、こんなに……! 私も、明日から稼げるんですね……!」
その顔は誇らしげで、嬉しさに頬を赤らめていた。

しおんは頷き、銅貨を袋に収めながら言った。
「そうだ。これからは二人で稼いでいこう」

凛は大事そうに冒険者カードを握りしめ、笑顔を浮かべた。

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