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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第13章 フルーツの朝、パンを抱えて採掘へ

鉱山へ向かう道を歩きながら、凛がぽつりと口を開いた。

「……早く、自分の服できないかなぁ😳」と呟いた。
しおんは笑って肩をすくめる。
「もうすぐ自分の服ができるんだ、楽しみは取っておこうな👍🏻」

やがて二人は鉱山へと辿り着く。岩肌がむき出しになった斜面、木枠で補強された坑道。すでに何人かの冒険者たちが採掘に取りかかっており、金属の打ち付ける音が響いていた。

「よし……やってみようか👏🏻」
しおんが腰に下げたツルハシを構えると、凛も自分用に渡された小さめのツルハシを両手で握りしめた。

カンッ、カンッ――。
慣れない手つきながらも、一生懸命に岩を砕く凛。振り下ろすたびに腕が震え、額にはすぐに汗がにじむ。
「ふぅ……っ、まだ……掘れる……」
頬に張りついた髪を手の甲で拭いながら、必死にツルハシを振るう姿は健気そのものだった。

「無理するなよ。今日も服、結構汚れそうだな」
しおんが笑いながら声をかけると、凛は少し照れたように「だ、大丈夫……頑張るから」と小さく答え、再びツルハシを振り下ろした。

昼になると二人は坑道の外に出て、岩に腰かけて持参した木の実パンとミルクで休憩した。
「んっ……甘い……😋」
凛はかじったパンを大事そうに両手で持ち、目を細めて幸せそうに噛みしめる。しおんも隣で頷きながら「休憩して食べると、なおさら美味いな」と笑った。

短い休息を終えると、再び採掘を開始する。午後の凛は、汗で首筋まで濡らしながらも必死に岩を掘り続けた。息が荒くなり、ツルハシを握る小さな手も赤くなっていたが、それでも諦めることなく一振り一振りを重ねる。
その健気さに、しおんは何度も心の中で「よく頑張ってるな」と呟いた。

夕方までに、しおんは五件分の鉱石を、凛も一件分をきちんと掘り当てることができた。二人は汗と煤にまみれたままギルドへ戻り、報告を済ませる。

「はい、しおん様は五件分、凛様は一件分、確かに受け取りました。お疲れさまでした☺️」
受付嬢の微笑みに、凛は小さく会釈をしながら両手で銅貨五枚を大事そうに受け取った。

「……これが、私の……報酬……🥹」
小さな声で呟き、頬をわずかに赤らめながら硬貨を見つめる凛。その表情には、初めて自分の力で稼いだ喜びがあふれていた。

隣でその姿を見たしおんは、心の奥で静かに思う。
(やっぱり……初めての奴隷は凛で間違いなかった😊)

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