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翌朝。
凛は嬉しそうにロンパースに袖を通すと、股の下のボタンを一つひとつ「ぱちん、ぱちん」と留めていく。小柄な身体にぴたりと沿った生地が形を整えていき、留め終わった瞬間、子供らしい無邪気さと大人の女性らしい曲線が同居した姿が完成した。

「どうですか？」
リュックを背負いながら振り返る凛の表情は、ただ新しい服を着られた嬉しさに満ちていて、彼女自身はその“自然に滲む色気”に気づいていない。

「今日も鉱山に行くが……凛、お前は今日の報酬で何か買うつもりはあるか？」
しおんが問いかけると、凛は少し考え込んだあと、小さな声で答えた。

「……ヘルメットが欲しいです。鉱山で皆さんかぶってて……私もあったほうがいいかなって。銅貨五枚くらいで買えるでしょうか？」

その言葉にしおんは頷く。
「分からないな。じゃあ依頼が終わったら、いつもの仕立て屋に寄ってみよう」
「はいっ！」
凛はぱっと笑顔を咲かせ、リュックを揺らしながら頷いた。

二人は宿の食堂へ向かう。
扉を開けると、すでに何組かの客が朝食を取っていたが、その視線が一斉に凛へと集まる。

昨日しおんに抱かれたせいか、凛の可愛らしさはさらに増しているように見えた。頬はほんのり紅潮し、瞳はうるんだ輝きを宿している。無邪気な笑顔に、他の男たちは思わずスプーンを止めて見惚れてしまう。

そんな視線を感じながら、しおんは凛の頬に手を伸ばした。
「どうだ、美味しいか？」
「んっ……美味しいです😊」
凛が口いっぱいに食べながら笑うと、しおんはわざと男たちに見せつけるようにその頬を優しく撫でた。

「……羨ましいにも程がある☹️」
「くそっ、奴隷でもあんな可愛い子が……」
周囲の男たちが悔しげに呟くのをよそに、しおんは余裕の笑みを浮かべる。

今日の朝食は、巨大なバナナのような果実を焼き上げた甘い焼きバナナ風の料理。
それにハーブと一緒に蒸し上げた柔らかな白い肉、そしてミルク。
湯気と香りが食堂いっぱいに広がっていた。

「甘い……！　美味しいです🍌」
凛は焼きバナナのような果実を嬉しそうに頬張り、リュックを背負ったまま足をぶらぶら揺らす。

しおんはその横顔を眺め、心の中でつぶやいた。
（……やっぱり、凛は俺の自慢の子だな）