無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

リビングのテーブルに、しおんは丸いパンを三つ並べた。
次に白身魚へハーブと塩を振りかけ、鉄板に置くと――じゅううっと小気味よい音が広がる。
立ちのぼる香ばしい匂いと、ハーブの爽やかな香りが部屋いっぱいに満ちていく。
「……よし。今日は簡単な夕食にしよう」

最後に大きなスイカのような果実を切り分ける。
ざくりと包丁が入ると、瑞々しい果汁が滴り、甘酸っぱい香りが広がった。
切り口の赤が鮮やかで、まるで夏そのものを皿に盛り付けたようだった。

振り返ると、椅子に座ったまま凛と千夏はウトウトと目を閉じている😪
温かな匂いが逆に心地よい子守歌となっていたのだ。

「おい、起きろ。食べないと寝られないぞ」
声をかけられ、二人ははっとして顔を上げた。

「す、すみません……😳」
「ごめんなさい……っ💦」
照れながらも、パンを手に取るとすぐに頬を緩ませる。

「……あむっ……美味しい……😋」
凛は幸せそうに目を細め、香ばしいパンの甘みと魚の香りを楽しんだ。

千夏も恐る恐る口にし、すぐに驚いたように目を見開く。
「こ、こんなに美味しいもの……初めてです……！　幸せ……っ😭」

その言葉に、凛はくすっと笑って頷く。
「ふふ……私も最初そう思ったよ。ご主人様との食事は、本当にあったかいんだよ😊」

千夏はその言葉を胸に抱きしめるようにし、涙をこらえながらパンをもう一口かじった。
魚の香ばしさ、果物の瑞々しい甘さ、そして何よりも「誰かと囲む食卓」という温もり。
それが、彼女の心を満たしていった😊