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森の家に朝の光が差し込む。
しおんはまだ眠っている凛と千夏を軽く揺り起こした。
「……起きろ。朝食の準備をするぞ」

二人は眠たげに目をこすりながら、テーブルに腰かけた。
しおんが台所に立つと、凛と千夏は並んで座り、その様子をじっと眺めている。

「……いつか、お前たちにも作ってもらうからな」
そう言うと、二人は顔を見合わせ、同時に「がんばるぞ！」という表情で頷いた。

しおんは鍋に油をひき、刻んだキノコをじゅっと炒める。
森で採れた香り高いキノコが熱で弾け、台所に食欲をそそる香ばしさが広がった。
そこへ水を注ぎ、野菜のくずと塩を加えてじっくり煮込む。
ぐつぐつと音を立てながら、キノコの旨味が溶け込み、湯気が立ちのぼる。

テーブルには、昨日の残りのスイカを切って皿に並べ、丸いパンを三つ添えた。
「できたぞ」
キノコの香りに目を輝かせた凛と千夏は、両手を合わせて声を揃える。
「いただきます！」

スープをすすると、千夏の顔がぱっと明るくなった。
「……すごい、美味しい……！　身体があったかくなります……😊」
凛もパンをかじりながら頷く。
「ほんとに……ご主人様の料理は最高です！」

⸻

食後、それぞれ支度を始めた。
凛は昨日スライムに洗ってもらったロンパースに袖を通し、股下のボタンをぱちんと留める。リュックを背負うと、嬉しそうに胸を張った。

一方、千夏は白いワンピースを手に取り、少し不安げにしおんへ目を向ける。
「……これしか、なくて……」
そう言って身に纏うと、その姿は清楚で可憐だが、どこか心細さが滲んでいた。

すると凛が近づき、にこっと微笑んだ。
「千夏ちゃん、それ……私も持ってるよ。売られたときに着てたの、同じ白いワンピースだったんだ」

千夏は目を丸くし、思わず彼女を見返した。
「……凛さんも……？」
「うん。でも、今はこうしてご主人様にたくさん可愛い服を用意してもらえたの。千夏ちゃんも、仕立て屋さんの服ができたらプレゼントしてもらえるよ。だから安心してね😊」

千夏の瞳に少しずつ安堵の色が宿り、彼女はそっと裾を握りしめて頷いた。