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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第21章 幸せの味

鉱山に到着すると、既に何人かの冒険者がツルハシを振るい、金属音が岩壁に響き渡っていた。
湿った空気の中、壁に埋まる鉱石がほのかに光り、ランタン代わりに坑道を照らしている。

「……ん?1人増えてるぞ」
「見ろよ、あの白いワンピースの子……新しい奴隷らしい👀」
「ちっ、どこで見つけてくるんだ……😩」

彼らの視線は、凛と千夏に注がれていた。
ロンパース姿の凛は、水色のヘルメットをかぶり、胸元が小刻みに揺れるたびに冒険者たちが息を呑む。短い裾からのぞくお尻の丸みも健在で、ツルハシを振る姿に思わず囁きが漏れた。

「やっぱりあの子、可愛いなぁ……」
「……笑顔まで…奴隷とは思えねえよな」

隣に立つ千夏は白いワンピースに身を包み、少しおどおどとした仕草で岩壁を見上げていた。その清楚で儚げな姿に、またひとりが低く呟く。

「横の子も、また可愛い……。まさか、例の奴隷商館の出か?🤔」
「だろうな。最近、あそこは質の良い奴隷を扱ってるって評判だ」
「……でも首に紋章がある以上、俺たちにはどうしようもねえな😒」

羨望と嫉妬が入り混じる視線を背に、二人は作業の準備を始めた。



「カンッ」
ツルハシを振り下ろした凛の水色ヘルメットが、ランタンの光を受けて輝く。
「千夏ちゃんもね、自分でお金を稼げるようになったら、まずはヘルメットを買うといいよ😊」
「……はいっ! そうします」
目を輝かせた千夏は、ぎゅっと拳を握り、憧れのような眼差しを凛に向けた✨️

しおんも岩壁にツルハシを振るい、青白く光る「魔力石」を掘り出す。手のひらに乗せ、その輝きを見つめながら思考を巡らせた。

(……この石を加工すれば、元の世界にあった器具を作れる。女性の身体に入れて、振動する道具。この世界には存在しない……必ず売れる)

「ふむ……人を楽しませる方向に目をつけるとは……なかなか面白い視点じゃのう」
空の上から、神が感心したように呟いた。
だがその声がしおんに届くことはない。

坑道には、ツルハシの音と三人の息遣いが静かに響いていた――。

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