無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

午後も採掘を続け、夕方には街へ戻った。
凛はギルドで依頼達成の報告を済ませ、その足でしおんと千夏のもとへ駆け寄ってきた。

「ご主人様！　あの……少し、買いたいものがあるんです🥹」
「何を買うんだ？」
首を傾げるしおんに、凛はにっこり笑う。
「千夏ちゃんに、ちょっとしたプレゼントを😊」

三人は仕立て屋へ足を運んだ。
そこで凛が選んだのは、紫色の猫の顔をモチーフにしたリュック。
自分が背負う象のリュックの“猫バージョン”だった💜

「……紫色？　ああ、これは千夏様に注文されたロンパースの色に合わせているんですね。素敵なお心遣いです😊」
店主は微笑み、感心したように頷いた。

しおんもそのやり取りを見守りながら、胸の奥で思う。
（……凛は奴隷だった頃とは違う。もう自分から誰かのために動けるんだな😌）

凛は銅貨6枚を取り出し、店主へ差し出す。
「確かに頂きました。またお越しくださいませ」
店主の声に送り出され、凛はリュックを千夏へ手渡した。

千夏は胸に抱きしめ、指先で何度も優しく撫でた。
「……凛さん……ありがとうございます……！　本当に、嬉しいです……🥹」

そのあと肩にかけて背負い、くるりと振り返って二人に笑いかける。
「どうですか……？　似合ってますか？☺️」

恥ずかしそうにしながらも、その表情は誇らしげで――
リュックを背負った千夏の姿は、初めて「自分の持ち物」を得た喜びに輝いていた。