テキストサイズ

平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第23章 魔道具、誕生

二人は冒険者ギルドで鉱山採掘の依頼を一件ずつ受け取り、受付で手続きを済ませた。
「頑張ってくださいね☺️」
受付のお姉さんの声に、凛も千夏も元気よく返事をする。

鉱山に着くと、ひんやりとした空気と岩肌に反射するランタンの光が迎えてくれた。
凛はツルハシを肩に担ぎ、水色のヘルメットを被る🩵
「じゃあ、始めよっか!」

千夏も真似をしてツルハシを構えるが――
「えいっ……あ、当たらない……💦」
ぎこちない動きにカンッと音が空振りし、思わず顔を赤らめる。

「大丈夫! 最初はみんなそうだから👌🏻」
凛が笑顔で励まし、正しい振り下ろし方を実演してみせる。
その姿を見て千夏も真剣に頷き、再びツルハシを振り下ろす。
「カンッ!」
小さな破片が飛び散り、千夏の顔に汗が伝った。
凛はタオルで彼女の頬を拭いながら微笑む。
「そうそう、上手になってきたじゃん!」
「……うんっ! 頑張ります🙌🏻」

二人は汗をかきながらも並んで採掘を続け、その姿はまるで姉妹のようだった。

一方その頃。

しおんは商業ギルドの重厚な扉を押し開き、受付へ試作品を持参したことを告げた。
「担当者を呼びますので、少々お待ちください」
そう言われてしばらくすると、小太りで人の良さそうな中年の男が現れる。

「お待たせいたしました。私、ハヤンと申します」
「しおんだ。よろしく頼む」

案内されたのは、大きなホールを厚布で仕切って作られた商談スペースだった。
仕切りの向こうからは、静かながらも熱を帯びた声がいくつも聞こえてくる。

「この香辛料は、保存性が高く――」
「こちらは保存食です。日持ちだけでなく、携帯性も……」

誰もが落ち着いた声色で語っている。だが、その一言一言には強い熱意がこもり、空間全体には張り詰めたような熱気が漂っていた。
ここは自らの工夫と発明を武器に、新たな商機を切り拓こうとする者たちが集う場所。

しおんはそんな空気を背に受けつつ、ハヤンに促され、ひとつの席に腰を下ろす。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ