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脳内ショートストーリー

第4章 【和泉沙良と金城伶〜年下くんとの恋〜】






「何が目的…?」



なんて言ったら弱み握らせた事になるのかしら
主導権握らせたつもりにして泳がせてみるか



「ワンナイトにして欲しくないです……あの日の、ホテルに行く前の事とか記憶にありますか?」



そう言えば、全然覚えていない
どっちが誘ったのかとか、
どういう流れで話す事になったのか…とか
私はあの日、誕生日で、その前日に
年上の彼氏と別れたばかりだった
セックスの相性もイマイチだったのに
私がフラれたものだからヤケになってたのもある



たまたま訪れたBARで少し引っ掛けて帰るつもりだった
友達から誕生日おめでとうメッセージが来て
余計悲しくなっちゃったんだっけ……



「僕が先に話しかけました、綺麗なお姉さんが一人で飲んでるから何かワケありなのかと思ったけど声を掛けずには居れなかったんです、今にも他の人に取られそうだったんで」


「え…?どういう事?」


「周りにお姉さんを狙う輩がたくさん居ましたよ?ヤケになって誰振り構わずついてって行きそうだったから先に話しかけたんです、そしたら周りは諦めて離れていきましたけどね」


「そ、そうだったんですね」


「ちょうど僕も仕事でムシャクシャしてて、自分の話そっちのけで僕の相談も乗ってくれたりして」


「私、そんな事してたんだ…」


「めっちゃ良い人〜ってなってお酒も進みました」


「説教っぽくなってなかった?その相談は解決したの?」



ん…?
ニコニコしちゃって、何処も悪くなさそうじゃない



「今もまだ僕の心配ですか?本当はワンナイトだって初めてだったでしょ?お姉さん、本当はめっちゃ優しくて良い人だって今改めて確信しました」



絶句……とはこの事
天真爛漫だね、ポジティブな事は良い事だけども……



「そんな良い人でもないよ?元気そうなら戻ろうか?」


「動悸、まだしてます!ほら、ちゃんと診て!」



えっ…?
手を引っ張って直接心音を確かめさせてきた
さっきよりは速くなってるけど……





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