変態王子様に溺愛(甘エロエッチ)されて限界です!
第1章 私詰んでた。
ゴトゴトと微かに揺れる馬車に乗り、小さな空間には私と目の前に座る殿下のみ。
どうしてか、今日に限って殿下が迎えに来た。
ならばいっそう誰もいない今が、婚約破棄を告げるチャンスなのではないか、と私は口を開いた。
「殿下、お願いがあるのですが聞いてくださいますか?」
「突然どうしたんだい?」
「いえ、私事ではあるのですが···」
この先、転入して来たヒロインと殿下は結ばれる運命になり、私は冤罪をきせられて処刑エンドへと導かれる運命、ならば遅かれ早かれ伝えてしまおうと私は意を決して殿下をまっすぐに見た。
「私に、婚約破棄をして欲しいのです」
───ビシッ。
空気が一気に代わり、馬車の中に重い空気が漂い始めた。
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