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リニエンアナザー

第1章 クロタネソウ


「あ、やぁ……くすぐったいっ」

「千種……」

「……あ」

「千種、好き」

頬に添えて、ゆっくりと千種へ言葉を紡ぐ黒谷。
嬉しい気持ちが先行するばかりで、何度か唇を開いてはみるものの何故か言葉が出てきてくれない。

「私、は……っ」

本当は私も好きだと直ぐにでも言ってしまいたい。

けれど気持ちが晴れたとは言え千種自身、即答して良いものかと戸惑いが邪魔をする。

「……ん。いいよ、千種。悩む時間をあげる。その鈍い頭でもっと悩んでよ」

黒谷は目許を紅く染め、嬉しいのか困っているのかどちらにも取れる複雑な笑みを向けた。

「そ……んな言い方は、狡いんじゃないかな?」

そうだねと更に引き寄せられ、腰がジンと熱を帯びる。
これはもう、千種の気持ちは彼にバレているのでは無いか。
そう感じると更に身体が、顔が熱くなる。


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