
リニエンアナザー
第1章 クロタネソウ
黒谷とは一年の時同じクラスになって、意気投合した男友達。初めは単に弟のようで可愛い。そんな気持ちだった。
二年に上がる少し前の事。
千種の中で変化したのはいつの間にか彼の身長が彼女より頭一つ分高くなって、身体付きが男の子から男性的になっていた頃。
『千種って、こんなに小さかったっけ?』
ドキリとした。
手も違うねだなんて掌同士を合わせて笑う黒谷はとても格好良くて、その日千種の脳裏は彼一色になっていた。
あの時の温度や表情全てが昨日のことのように思い出せて、こんなにも心を熱くしているのに。
───諦めなきゃいけないなんて、残酷過ぎる。
やっぱり、と千種は短く息を吐く。
最近避けられてる気がしたのは、気のせいでは無かったのだ。
靄がかっていたものの解消と共に、心が乾いていく。
馬鹿みたいだと、かさ付く唇が虚しく笑みを象っていた。

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