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陽が沈む湊、陽が昇る湊。

第10章 ♡マーク

湊は帰路についていた。海岸沿いの道はいつも渋滞している。

前の車の停止ランプを見つめながら、日陽のことを考えていた。

今日は二人が一緒にいられる久々の休みだった。

日陽の体調が良かったら出かけようと思っていたのに。

(日陽、どうしてるかな……)

朝は元気そうだったけど、怠くて寝てるかな。ご飯食べたかな。

湊は急に彼女を放って出てきたことを後悔していた。

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日陽は横になってテレビを見ていたらいつの間にか寝ていた。

スマホを確認する。誰からも連絡はない。

そろそろ日も暮れかかる時間だった。

窓から庭を見下ろす。ミニは停まっていなかった。

(湊、まだ帰って来てない)

まだ怒ってるかな。今日も仲良くできないしね……。

日陽は頬をつたう涙を拭わないでしばらく窓の外を眺めていた。

(湊、帰ってくるよね?)

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湊がミニを車庫入れした時には、すでに外は暗くなっていた。

居間の明かりが外にもれている。

「ただいま」

玄関の引き戸を開けて中にいる日陽に声をかける。

「おかえり、湊」

家に入ってすぐに湊は気がついた。

「カレーの匂いがする」

「遅く帰ってきても大丈夫なようにカレー作ったの。食べる?」

日陽は彼の顔色を伺いながら少し申し訳なさそうに言った。

「ありがとう、日陽。カレー食べようぜ腹減ってきた」

靴を脱ぎ家に上がりながら、湊は手に持っていた土産を日陽に渡した。

「帰り道に買ってきたんだ。あとで食べよう」

二人のお気に入りのケーキ屋のシュークリーム。

「湊、今朝はごめ……っ」

いい終わる前に湊は日陽を抱き寄せた。

「謝らないで、日陽は何も悪くない。話はあと、カレー食べよう」

湊は彼女を抱きかかえキッチンに向かう。

冷蔵庫を開けてケーキの箱を仕舞おうとして、ふと同じ箱があることに気づく。

「あれ、これって……」

「えへへ、私もシュークリーム買ってたの。湊と一緒に食べたくて」

「考えることが同じだ」
「考えてることが同じだったね」

息もピッタリ同じ言葉が重なる。二人は顔を見合わせて笑いあった。

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