
クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。
第16章 ただそばにいるだけで
インターフォンの画面に映る刹那がコチラを見ながら何か喋っている。
「刹那!?」
皐月はエントランスの解錠ボタンを押した。
玄関ドアを開錠した瞬間にドアが開き刹那が入ってくる。
「どうして」
皐月が言い終わらないうちにガバッと刹那が抱きついてくる。
「……嘘つき、家にいるじゃん」
「それは……」
刹那はさらに力を込めて抱きしめてくる。
皐月は彼の背中に腕を回し抱きしめ返した。
「……刹那」
「お腹すいた」
刹那は腕を解くとキッチンに向かい冷蔵庫からビールを掴みとる。
(野良猫が呼んでもないのに来てしまった)
皐月は冷蔵庫の有り合わせで焼きうどんを作りテーブルに置いた。
「いただきます」
刹那は熱っと言いながら、美味しそうにうどんをすする。
さっきまでの冷えた空気が一気に色付きだした。
「オレ、学校まで見に行ったからね」
「なにを見に行ったの?」
「皐月の車」
フーフーと息を吹きかけ、冷ましてうどんを食べる。
「学校にいないなら帰ってるかと思ってコッチきた」
「どうして、今夜は予約してなかったでしょ」
「うん、だから勝手にきた」
にっ、とイタズラっぽく笑う刹那。
「呆れた子ね……」
「皐月、嬉しくないの?」
「……驚いたけど、嬉しかったわ」
フフンとシタリ顔をしている。
食べ終わった刹那はいつものように煙草を咥えてベランダに出ていく。
皐月はお茶を淹れることにした。
二人並んでお茶を飲む。
刹那の髪からシャンプーの香りが漂う。
素のままの黒髪、前髪が目にかかり襟足も首に沿うように伸びている。
すると刹那が寄りかかってくる。
「刹那、今日は……」
「知ってる」
「え、本当に?」
「避けられる理由はそれしかないだろ」
「……避けたわけじゃないわ。刹那を満足させてあげられないから」
おもむろに身体を起こしムッとした顔で刹那はいった。
「オレのこと舐めてんだろ」
「……そんなつもりは」
「オレはこうしてそばにいるだけで良いんだ」
刹那が寄りかかってくる。
「そうなのね、知らなかったわ」
服を通して伝わってくる彼の体温が心地良かった。
お互いの指を繋ぎ弄ぶように握りしめる。
二人の視線が合い、どちらともなく唇を重ね合わせていた。
静かな夜が明けて、野良猫はいつの間にか帰っていた。
「刹那!?」
皐月はエントランスの解錠ボタンを押した。
玄関ドアを開錠した瞬間にドアが開き刹那が入ってくる。
「どうして」
皐月が言い終わらないうちにガバッと刹那が抱きついてくる。
「……嘘つき、家にいるじゃん」
「それは……」
刹那はさらに力を込めて抱きしめてくる。
皐月は彼の背中に腕を回し抱きしめ返した。
「……刹那」
「お腹すいた」
刹那は腕を解くとキッチンに向かい冷蔵庫からビールを掴みとる。
(野良猫が呼んでもないのに来てしまった)
皐月は冷蔵庫の有り合わせで焼きうどんを作りテーブルに置いた。
「いただきます」
刹那は熱っと言いながら、美味しそうにうどんをすする。
さっきまでの冷えた空気が一気に色付きだした。
「オレ、学校まで見に行ったからね」
「なにを見に行ったの?」
「皐月の車」
フーフーと息を吹きかけ、冷ましてうどんを食べる。
「学校にいないなら帰ってるかと思ってコッチきた」
「どうして、今夜は予約してなかったでしょ」
「うん、だから勝手にきた」
にっ、とイタズラっぽく笑う刹那。
「呆れた子ね……」
「皐月、嬉しくないの?」
「……驚いたけど、嬉しかったわ」
フフンとシタリ顔をしている。
食べ終わった刹那はいつものように煙草を咥えてベランダに出ていく。
皐月はお茶を淹れることにした。
二人並んでお茶を飲む。
刹那の髪からシャンプーの香りが漂う。
素のままの黒髪、前髪が目にかかり襟足も首に沿うように伸びている。
すると刹那が寄りかかってくる。
「刹那、今日は……」
「知ってる」
「え、本当に?」
「避けられる理由はそれしかないだろ」
「……避けたわけじゃないわ。刹那を満足させてあげられないから」
おもむろに身体を起こしムッとした顔で刹那はいった。
「オレのこと舐めてんだろ」
「……そんなつもりは」
「オレはこうしてそばにいるだけで良いんだ」
刹那が寄りかかってくる。
「そうなのね、知らなかったわ」
服を通して伝わってくる彼の体温が心地良かった。
お互いの指を繋ぎ弄ぶように握りしめる。
二人の視線が合い、どちらともなく唇を重ね合わせていた。
静かな夜が明けて、野良猫はいつの間にか帰っていた。

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