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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第17章 勉強会&顔合わせ

テーブルを2つつなげた席の真ん中には、学校から配られた『修学旅行のしおり』と、ファミレスのメニューが乱雑に広げられている。

「はい注目ー! 1日目の成田集合から2日目のブルーマウンテンズまでは全体行動だから、俺たちが決めなきゃいけないのは3日目の終日自主研修!」

りくが班の実質リーダーらしく場を回し始めた。その隣で、杏奈がすでにスマホのメモアプリを開いて待機している。

「選択肢は3つ。タロンガ動物園、ロックス地区のレトロ街、それとボンダイビーチ。さあ、どこがいい?」

りくの問いかけに、真っ先に身を乗り出したのは翔だった。

「そりゃビーチだろ! ビーチ一択! 南半球のシドニーでJKの水着拝まないで何のためにオーストラリア行くんだよ!」

「高橋、でもオーストラリア今真冬だよ。寒いんじゃないかな」

颯太が即座に、冷めた顔でポテトをつまみながら突っ込む。

「えぇ〜、そこは気合いでなんとか」

すかさず仁海が、愛用のデジカメを構えて翔のマヌケ顔をパシャリと盗撮した。

「あ、今の翔の顔、マヌケでいい感じ。私はロックス地区の古い街並みとか撮りたいなー」

「私はタロンガ動物園! 皆んなでウォンバットと一緒に写真撮ろうよ」

真帆が動物園をゴリゴリに推している。意見が割れているその時、翔がニヤニヤしながら、隣に座る刹那の肩を肘でつついた。

「おい刹那、お前はどうなんだよ? 男ならビーチだよな? 莉子の水着、見たくねぇの?」

「ぶっ……!?」

ドリンクバーのメロンソーダを飲んでいた莉子が、思いきりむせて顔を真っ赤にした。

「ちょっと高橋くん!?」

と莉子が慌てる横で、話を振られた刹那は、完全に「固まって」いた。手元のアイスコーヒーの氷を見つめたまま、微動だにしない。

「……オレも、ビーチはパス」

ぽつりと言った刹那の声は、いつも通り低くて冷めていた。

「えー? なんでだよ刹那、お前男だろ!?」

「あー、潮風ベタつくじゃん。あと、砂が靴に入るし」

それらしい理由をつけてはいるが、刹那の脳裏をよぎっていたのは別の理由だった。

「あー、白瀬くん、色白いしインドアっぽいもんね」

真帆がすかさず空気を察して、明るくフォローを入れる。

「翔、負けたな。じゃあ、タロンガ動物園見て、ロックス寄るのはどう?」と、りくがまとめる。

「「「賛成!」」」

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