先パイ、これは恋ですか?
第13章 夢と現実
(智也side)
桜乃が自分の席に着く。
今日の課題解こうとしてるみたいだけど 全然進んでないみたいだな。
……にしても あんな嬉しそうに報告されたら オレはどうしたら良いんだよ。
あいつは 先パイが好きとか言ってた。
初めは憧れだと思ってた。けど、違った。
ちゃんとした恋愛感情だったんだ。
正直ショックだ。
オレは入学して早々 桜乃に一目惚れした。
ただ クラスで暗い奴だったから気持ちは徐々に薄れていったが あの日 CDショップで話してから一変した。
明るくて可愛くて元気な奴だった。
オレは桜乃が好きだ。
クラスの奴にも打ち明けてみたが誰も共感してくれなかった。
まぁ 素の桜乃を知らないだけだし そっちの方がオレにとっては都合が良い。
せっかく良い感じだったのに しまったな…。
桜乃が好きな奴……。
確か 想夜先パイも桜乃が好きだったりしてな。
だとしたらオレは先手を打たなきゃいけない。
先手を……。