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キ…ス………。





｢………………。｣


｢んだよ……。
そんな顔しなくても良いじゃん……。｣


｢…………………。｣



｢っっ………。
冗談だ。悪かったな。
だから、そんな顔す………んんっ…。｣



蓬が目を見張る。
蓬との距離はゼロ。

大好きだった蓬の匂い。

あの頃に戻ったような錯覚。ただ、それは錯覚のままで。




私は蓬に。


キスをした。



それは一瞬の出来事で、なんの感情もなくて ただただみみの所へ行きたくて。

でも 少しだけ
ほんの少し


嬉しかった。


沈黙が流れる。
蓬は何も話さない。

もう行っても良いんだろうか。
それすら分からない。



｢……これで良いんだろ。約束は守れよ。
だから私は、みみの所にい………んんっっ！？｣