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淫らな死体~お嬢さま春泉の秘密~④

第7章 天上の楽園

 秀龍が鼻で嗤った。
「生憎と、私は姦夫ほど騙され易くはないぞ? そなたが愛らしいその唇で幾ら千の嘘を並べ立てようと、ごまかされはせぬ」
「嘘など申しませぬ」
 春泉はきっぱりと断じると、強い瞳で秀龍を見据えた。持ち前の勝ち気な気性がむくむくと頭をもたげてくる。
「ホホウ、さても自信たっぷりに申すものだな。それでは、そなたに姦夫がおらぬと証明して貰おうか」
 秀龍は乾いた声で言うと、今度は春泉のチマの紐を解き始めた。
「何をなさるのっ。もう、これ以上は止めて」
 春泉が懸命にもがいて抗うと、秀龍は彼女を乱暴に突き飛ばした。起き上がろうとする彼女の上に素早く覆い被さり、チマの裾を容赦なく大きく捲る。
 下に穿いている長ズボンが脱がされ、続いて下履きに手がかかった。
「やっ、いや! こんなことは止めて下さい。秀龍さま」
「そなた自身が姦夫はおらぬとはきと申したのだ。自分の言葉にはきちんと責任を持たねばならぬ」
 秀龍は淡々と言うと、下履きを一挙に降ろし、無造作に放り投げた。
「ああっ」
 両脚を持つと、これ以上はないといほど開かされる。股が裂けてしまうのではないかと思うほどの容赦なさだった。
 溢れ出した涙が滝のように流れ、すべらかな頬をつたってゆく。
「こんなことをして―何になるのですか?」
 泣きながら訴えた彼女を、秀龍の感情の読み取れぬ瞳が見つめた。
「本当に何も知らぬのか? そなたを見ていると、私の方が罪なき少女を苛める悪人に思えてくるが。その殊勝な態度もすべて見せかけだというのなら、実に末怖ろしい売女(ばいた)だ。舞台役者も顔向けの迫真の演技だな」
「何をおっしゃっているのか、私には判りません」
 春泉が泣きながら首を振った。
 突如として、春泉は下腹部に鋭い痛みと圧迫を憶え、悲鳴を上げた。何かが―春泉本人さえ普段は触るどころか見たこともない秘められた狭間に差し入れられている。

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