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淫らな死体~お嬢さま春泉の秘密~④

第7章 天上の楽園

「い、痛いッ、秀龍さま、痛いです」
 激痛が走り、その場所が壊れてしまうのではないかと思った。その時、秀龍は春泉の秘所に指を挿入していたのだが、春泉が知るはずもなかった。指は一本から二本と増やされてゆく。
 激痛はやわらぐどころか、ますます強くなり、春泉は大粒の涙を零しながら、助けを求めように手を差しのべた。
「止めて、痛い―」
「きついな、それに、かなり狭い。もしかして、そなたは生娘なのか?」
 秀龍の言葉の意味が理解できない春泉は、涙に濡れた瞳で彼を見上げた。
「旦那さま、痛くて堪らない。灼けつくように痛むのです。お願いだから、もう止めて」
「今、ここでこのままそなたをいっそ、私のものにしてしまおうか。この締め上げ具合なら、さぞ抱き心地も良かろう。そなたの中はさぞ、蕩けるように熱く、夢見心地にさせてくれるに違いない」
「―?」
 春泉が訳の判らない言葉の羅列に眼をまたたかせた。
「何をなさるのですか?」
 怖ろしさに身体中の膚が粟立ち、声が震えた。
 秀龍の言葉が判らないなりに、自分が今、とんでもない危険な状況に置かれていることだけは漠然と察せられたのだ。
 秀龍がうっすらと微笑する。あの、一見優しげだけれど、酷薄さを滲ませた笑いだ。
 今夜の秀龍さまは変だ。
「そなたに姦夫がいるというのは、やはり、私の思い過ごしだった。そなたは、穢れを知らない清らかな身体だ。そのように震えなくても、大丈夫。そなたにできるだけ痛い想いはさせない。約束はできないが、努力はする。なに、初めは痛くても、その中、すぐに良くなって、気持ちよくなるからね」
 痛い想い―? すぐに良くなって、気持ちよくなる?
 それらの言葉が余計に春泉の恐怖を増し、春泉は怯え切った瞳を揺らして秀龍を見た。
 その時、部屋の扉が勢いよく開いた。
「若奥さま」
 オクタンが顔を覗かせ、息を呑む気配が伝わってきた。先刻、下がっていった若い女中と入れ替わるように姿を見せたのは、あの女中がオクタンに〝若奥さまの急難〟を知らせたからに他ならない。

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