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淫らな死体~お嬢さま春泉の秘密~④

第15章 八年後

「ごめんなさい。お母さま。だって、家庭教師の先生がおいでになっている間に、小虎が急にいなくなるんですもの。私、もう心配でたまらなくて」
 つまり、その先生が帰ってからすぐに、ここ―春泉の居室に居ても立ってもいられずに飛び込んできたということだろう。
 春泉は側に近寄ってきた幼い娘の髪を愛情深い手つきで整えてやる。
 恵里はまだ幼いが、その愛らしくも美しい容貌は春泉の母チェギョンに生き写しだ。かつて美貌を謳われ、父に振り向かれぬ淋しさを紛らわせるかのように若い愛人たちを閨に引き込んでいた母も、今は町外れの屋敷でひっそりと慎ましく暮らしている。
 たまに春泉が恵里を連れて訪れるのを何より楽しみにしていた。
「恵里や、よくお聞きなさい。いくら難しい勉強を頭の中に詰め込もうと、外見を美しく飾り立てようと、そのようにお転婆な娘では大きくなっても、誰もお嫁には迎えて下さいませんよ」

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