テキストサイズ

俺を好きだと言ってくれ

第2章 *出逢い..

 


―…ガチャッ





モッチーが出て行ってすぐ、再び保健室のドアが開いた。






「なに?忘れ物?」






美優の声に応えはなく、カーテンの向こう側の姿が見えない。






「…モッチー?」






―シャッ……


「っ…!?」






突然開いたカーテンから姿を見せたのは、紛れもなく、私をこんな姿にした犯人。






「っ…桐谷くん………」



「ひとり?」



「え……


あ、うん………」






戸惑いながら頷く美優を見下し、ベッドの脇の丸イスに腰掛けた。






「な…なに………?」



「…………」







ただ無言で辺りを見回す玲央を不思議そうに見つめる。







「お前、空が好きなの?」



「えっ…!」







初めて見た桐谷くんの瞳に不覚にも吸い込まれそうで、嘘は絶対につけないと思った。







「す…好きなんて……ないない…!」







それでも首を横に振って必死に否定する。


 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ