俺を好きだと言ってくれ
第2章 *出逢い..
「美優ーっ!!」
「っ!!」
次の日、登校してすぐに物凄い勢いであっちゃんが突進してきた。
「頭大丈夫?」
「え?」
あ た ま ?
「昨日ボールが頭にぶつかったんでしょ?
勇樹が友達から聞いたって……」
「あ……」
頭ってそっちか。
唐突な質問でバカにされてるのかと思った。
「大丈夫、大丈夫!
昨日保健室で休んだし。」
「望月くんが付き添ってたんでしょ?
まったくさぁ……
ぶつけた本人の桐谷くんがなんで付き添わないわけ?」
「え…あ…それ…違うの……!
桐谷くんは……」
「私あの人ほんと苦手。
何考えてんのかわか…!!!」
あかりのマシンガントークに美優の言葉は消され、次の瞬間には文句を言うあかりが表情を一変して立ち止まった。
もう教室は目の前だというのに、前に進もうとしない。
「…あっちゃん?」
あかりの顔を不思議そうに見つめた後、美優もあかりの視線の先へと顔を向けた。
「っ…桐谷…く…ん………」
数m先で立つ玲央は無言で美優たちを見る。
その横には空と龍平の姿もあった。