俺を好きだと言ってくれ
第3章 *初恋..
「…あ、神崎くん………」
「――?」
無意識に反応してしまう名前―…
咄嗟に探してしまう彼の姿―…
でもそれもすぐに後悔する。
「あの2人、いつも一緒だね。」
悪気のないあっちゃんの言葉すら私の胸を苦しめる。
神崎くんの横をぴったりと歩く由紀さんの姿―…
お昼休みの賑やかな食堂を2人は堂々と歩く。
生徒の注目の的なのはもちろん、あんなに神崎くんの隣を颯爽として歩けるのは由紀さんだから―…
「……美優、まだ好きなの?」
カレーを口に運ぶと同時に私の顔を伺いながら聞く。
私の初恋―…
叶うはずもなく、それは私もあっちゃんもわかってた。
「好きだよ……ずっと………」
私もカレーを口に運びながら小さく呟く。
たとえ叶わない恋だって、私にとっては忘れられない恋だから―…
見てるだけの切なくて苦い恋―…
それが私の初恋なんだ。