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俺を好きだと言ってくれ

第3章 *初恋..

 



『じゃあ私どこ行くか考えとくね!
またあとでメールする!』







嬉しそうに手を振り、大学の校舎へと向かった由紀さんの後ろ姿は誰が見ても華麗で美しい―…





昨日のことがあったって、神崎くんはまだ由紀さんのことが大好きで―……



きっと諦められないんだろうなって思った。







「いいな、お泊まり……
楽しそう。」



『奥田さんもする?
今度、お泊まり』



「え…っ////」



『…冗談だよ。』







わかってたけど、顔が赤くなるのがわかった。



一瞬だけ、脳裏に浮かんだ私と神崎くんの恋人らしい姿―…





恥ずかしくて、なぜか目に涙が溜まる。








「あ……!
私今日も日直だった…!」








職員室に日誌を取りに行くことを理由に足速に立ち去ろうとする。








『奥田さん…!』



「ごめんね…!急ぐから……」







悔しかった。



浮気してる由紀さんを許して、私の気持ちを知ってか知らぬか、からかう神崎くんにムカついてるのに素直に怒れない。




好きで好きで大好きすぎて周りが見えないのは私の方だ―…



 

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