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第7章 狂い出す計算式

「聞いてるのか!てめぇ!」


桂は依然怒鳴り散らしている。


重森のカードは19。

かなりいい手が入っていた。

しかし数字がいいとかより裏切られた怒りの方が今の桂には強かった。


依然騒ぐ桂に重森はうるさそうに顔をしかめ、桂を睨み付ける。


「うるさいぞ。もう一枚引いて欲しいのか?」


「……っっ!」


「俺はいいんだぜ、バーストしても。別に痛くも痒くもない。金など入らなくてもおたくみたいに借金まみれでもないしな」


「い、いや……その」


ディーラーが重森の判断を待っている。


重森はヒットを告げるカードを人差し指で叩くポーズをし、指をカードに向けて落下させる。


人差し指がカードにつく瞬間、


「すいませんでした!俺が悪かったです!許してください!もう騒ぎません!!」


桂は必死で頭を下げて謝る。


「……スタンド」

重森は寸前で指を止めてディーラーにこれ以上引かないことを低く小さい声で宣言した。



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